タグ別アーカイブ: エネルギー

「エネルギー」、「運動量」ってなに?

高校物理参考書『高校物理発想法』を出版しました。

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高校の物理で「エネルギー」、「運動量」が出てきます。

エネルギーとはなにか?と訊かれて明確に答えられますか。多分、多くの高校生の答えは、発電などで生み出される、なんとなく有用なモノ、といった程度ではないでしょうか。霊魂のようなものを想像する人も多いでしょう。エネルギーに続いて運動量が出てきて、物体は2つも霊魂のようなものを持つのか、と思った人もいるのでは。

エネルギー、運動量というのは、状態が変化したときどのようなことが起こりうるのか、ということを言っています。

エネルギーは、ある状態が基準状態まで変化したとき、どれだけの力学的仕事をなしうるか、ということです。運動エネルギーは、ある速度で運動している物体が静止するまでにできる仕事量、のことです。位置エネルギーは、ある位置にある物体が基準面まで変位したときに保存力ができる仕事量、のことです。

運動量は、ある速度で運動している物体が静止するまでになしうる力積、のことです。

ある状態が基準状態まで変化するときどんなことが起こりうるか、ということを問題にしているだけで、霊魂のようなものは一切関係ありません。

新入生の人たちには、仕事、力積の意味が分からないかもしれません。これから学んでいきましょう。

わたしの授業ではさまざまな物理概念、化学概念を明確に教えていきます。霊魂は登場する余地がありません。

『高校化学 中和滴定』『高校化学 気体の製法の理論を整理すると』『高校化学 熱化学方程式の問題の解き方』を出版しました。kindle出版です。

未知の酸または塩基の濃度を決定する操作を「中和滴定」といいます。中和滴定について高校化学で必要な知識をまとめます。教科書ではあまり取り上げられていないちょっとしたコツも紹介したいと思います。詳しくはこちらを。

高校化学でさまざまな気体の製法を学びますが、その理論をあまり整理せずに、雑然と覚えている人が多いような気がします。本書ではそれらをキチンと整理します。

高校化学の熱化学方程式の問題は、場当たり的に解くのではなく、整理して系統的に解くべきです。それをまとめました。

わたくし、大阪の家庭教師が高校物理の参考書を出版しました。

タイトルは『高校物理発想法~あやふやな理解を明確に~』です。

『§3 v-t図の考え方』より

「物体の運動を考察する際、v-t図を使うと分かりやすい場合があります。v-t図の用い方は知っている人も多いかと思いますが、ひとつ喚起しておきたいことがあります。v-t図を作図せよ」、という設問があったら、それは、「これ以降の設問でv-t図を利用して解けば簡単に解けますよ」という誘導である場合が多い、ということです。物理の入試問題では、いかに出題者の誘導に乗るか、ということもポイントになってきますので、こういうこともしっかり押さえておきましょう。」

このように受験生が本当に必要としている実践的な知識を載せました。

『§4 「エネルギー保存の法則」「運動量保存の法則」の式をたてる際に注意すること』より

「運動量保存の法則は、「内力だけが働く系では、運動量の和が保存する」というものです。ここで運動量はベクトルですから分解することができます。すると、外力が働いていてもそれが一方向を向いていれば、それに垂直な方向は内力だけが働くことになりますから、その方向の運動量は保存します。したがって運動量保存を使うときは、まず働く力全てを内力と外力に区別し、外力が一方向を向いていないか調べることからはじめます。

教科書に載っている法則をただ覚えているだけではダメです。問題を解くとき具体的にどう使うのかまで理解していなくてはいけません。法則の正しい用い方を明確に説明しました。

他の参考書では書いていないような受験生が本当に必要としている事項満載です。

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内力と仕事・エネルギー

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物体系の運動(多物体の運動)において、はたらく力が物体間の内力だけのとき物体系の運動量は保存されます。ここでよく、じゃあエネルギーはどうなるんだ?という疑問を聞きます。内力は仕事をしないんじゃないか、と思ってしまうわけですね。もっともな疑問です。それについて考えてみましょう。

接触して運動する物体間の内力、摩擦力と垂直抗力を例にとります。水平な床の上に直方体の物体A、Bがふたつ重ねて置かれているとします。Aに水平に力Fを加えると、Bも静止摩擦力によって、Aと同じ運動をする場合と、摩擦力が最大静止摩擦力に達してしまって、AがBの上を滑る場合があります。垂直抗力は運動と向きが垂直なので仕事をしないので、摩擦力だけを考えれば足ります。BがAにおよぼす摩擦力をfとすれば、AがBにおよぼす摩擦力は-fですね。このfと-fが内力というわけです。それでは内力がする仕事を算出してみましょう。

まずAB間に滑りがなく、一緒に運動する場合。
A,Bが同様の運動をするわけですから、変位は同じです。xとおきましょう。
すると
摩擦力がAにした仕事WA=fx
摩擦力がBにした仕事WB=-fx
内力(摩擦力)が物体系にした仕事:W=WA+WB=0
つまり、AB間に滑りがない場合、内力が物体系にする仕事は0です。

つぎに、AB間に滑りがある場合。
滑りがあるのですから、A,Bの変位は異なります。xA,xBとしましょう。すると
摩擦力がAにした仕事WA=fxA
摩擦力がBにした仕事WB=-fxB
内力(摩擦力)が物体系にした仕事:W=WA+WB=f(xA-xB)
xA≠xBですからW≠0です。すなわち、内力は物体系に仕事をします。

内力が物体系にする仕事は、摩擦力が内力の場合、物体間に滑りがなければ0、滑りがあればノット0、ということです。だいぶ見えてきたと思いますが、内力を摩擦力に限定せず、(万有引力、クーロン力なども含めて)一般化してみましょう。

物体間にはたらく内力ベクトルをF、-F、二物体それぞれの変位ベクトルをX、xとします。内力がそれぞれの物体にする仕事はF・Xと-F・xです。物体系にする仕事Wは、両者の合計で、W=F・X+(-F・x)=F・(X-x)となります。X-xは一方から見た他方の相対変位ですから、一般に、内力が2物体系にする仕事は、両物体間の相対変位が0の場合(相対運動がない場合)と内力と相対変位が垂直な場合ゼロ、それ以外はゼロでない、ということが言えます

試験問題を解いていて、内力が出てきたとき、あわてて無条件に内力は仕事をしない、と考えてしまわないように注意しましょう。

2物体両方が変位する場合に垂直抗力、張力は仕事をしないか?の項も参考にしてみてください。

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『§3 v-t図の考え方』より

「物体の運動を考察する際、v-t図を使うと分かりやすい場合があります。v-t図の用い方は知っている人も多いかと思いますが、ひとつ喚起しておきたいことがあります。v-t図を作図せよ」、という設問があったら、それは、「これ以降の設問でv-t図を利用して解けば簡単に解けますよ」という誘導である場合が多い、ということです。物理の入試問題では、いかに出題者の誘導に乗るか、ということもポイントになってきますので、こういうこともしっかり押さえておきましょう。」

このように受験生が本当に必要としている実践的な知識を載せました。

『§4 「エネルギー保存の法則」「運動量保存の法則」の式をたてる際に注意すること』より

「運動量保存の法則は、「内力だけが働く系では、運動量の和が保存する」というものです。ここで運動量はベクトルですから分解することができます。すると、外力が働いていてもそれが一方向を向いていれば、それに垂直な方向は内力だけが働くことになりますから、その方向の運動量は保存します。したがって運動量保存を使うときは、まず働く力全てを内力と外力に区別し、外力が一方向を向いていないか調べることからはじめます。

教科書に載っている法則をただ覚えているだけではダメです。問題を解くとき具体的にどう使うのかまで理解していなくてはいけません。法則の正しい用い方を明確に説明しました。

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2物体両方が変位する場合に垂直抗力、張力は仕事をしないか?③

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つぎは車の中の振り子のばあい。

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車から見たおもりの相対運動は円運動ですから、張力Tと各瞬間の相対変位の方向は垂直です。ということは静止系からするとおもりの変位の方向と張力は垂直ではありません。よって張力は仕事をします。
ところが垂直抗力のばあいと同様に張力がおもりにする仕事と張力が車にする仕事は相殺します。 両者の和をW、おもりの変位をベクトルx、車の変位をベクトルXとします。おもりにはたらく張力をベクトルTとすると、車にはたらく張力は-ベクトルTです。よって

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(ベクトルx-ベクトルX)は車から見たおもりの相対変位ですから軌跡は円運動で、相対変位と張力は垂直

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となります。 よって車と地面に摩擦がなければ、仕事をするのはおもりにはたらく重力だけ。車とおもりの質量、速さをそれぞれM,V,m,v、おもりが静止していた位置から鉛直下方にh運動したとすると

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が成り立ちます。
なぜ私がこんなことを考えたかというと、垂直抗力・張力が仕事をしないことがはっきりしていないと、エネルギー保存の式を立てても、これで本当にいいのかと気になって回答に集中できないからです。
受験生の人たちのうちどのくらいの人が「本当に垂直抗力は仕事をしないのか?」と疑問を持っていたかわかりませんが、きちんと力学的エネルギー保存の法則を理解していたならば、当然そういう疑問を持っていなければなりません。
力学的エネルギー保存の法則・エネルギーの原理を使うときは、系にはたらくすべての力について、仕事をしたか・していないか確認すること。その際今回述べた

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も頭にあると良いでしょう。

内力と仕事・エネルギーの項も参照してください。
今回の教訓

○力学的エネルギー保存の法則・エネルギーの原理を使うときは、系にはたらくすべての力について、仕事をしたか・していないか確認すること。

このテーマおわり

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『§4 「エネルギー保存の法則」「運動量保存の法則」の式をたてる際に注意すること』より

「運動量保存の法則は、「内力だけが働く系では、運動量の和が保存する」というものです。ここで運動量はベクトルですから分解することができます。すると、外力が働いていてもそれが一方向を向いていれば、それに垂直な方向は内力だけが働くことになりますから、その方向の運動量は保存します。したがって運動量保存を使うときは、まず働く力全てを内力と外力に区別し、外力が一方向を向いていないか調べることからはじめます。

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2物体両方が変位する場合に垂直抗力、張力は仕事をしないか?②

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前回の「垂直抗力がした仕事はどうなった?」に対する答えですが・・・ 実は、斜面が物体におよぼす垂直抗力がした仕事と、物体が斜面におよぼす垂直抗力がした仕事が相殺するのです。だから物体系全体では、仕事をする力はmgだけなのです。よって力学的エネルギー保存則

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が成り立つのです。
証明しましょう。 物体、斜面がそれぞれベクトルx、ベクトルX変位したとしましょう。斜面が物体におよぼす垂直抗力をベクトルNとすると、当然物体が斜面におよぼす垂直抗力は -ベクトルNです。ベクトルNと -ベクトルNがする仕事を足した値Wは

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ここで(ベクトルx-ベクトルX)は斜面から見た物体の相対変位です。物体の斜面に対する相対運動は斜面に沿っていますからその向きは垂直抗力の向きと垂直です。よって

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となります。 いまのはベクトルを使ったトリックのようですので、別の求め方も示しておきます。

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図のようになって、垂直抗力の水平成分は左にNsinθで物体は左にx変位しますので、仕事はNsinθ・x。垂直抗力の鉛直成分は上向きにNcosθで物体は下にy変位しますので、仕事は-Ncosθ・y。一方、斜面にはたらく垂直抗力の水平成分は右にNsinθで変位は右にX。よって仕事はNsinθ・X。

(垂直抗力のペアが物体系にした仕事)

=Nsinθ・x+(-Ncosθ)・y+Nsinθ・X

ここで、図からy=(x+X)tanθ

=Nsinθ・x-Ncosθ・(x+X)tanθ+Nsinθ・X

=Nsinθ・x-Nsinθ・(x+X)+Nsinθ・X

=0

このように、やはり垂直抗力のペアがする仕事は相殺して0です。

このテーマつづく

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2物体両方が変位する場合に垂直抗力、張力は仕事をしないか?①

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斜面と単振り子

上図左のように固定された斜面上ですべる物体に対して、垂直抗力は仕事をしません。なぜなら力の向きと運動方向が垂直だから、垂直抗力と変位ベクトルの内積は0です。同様に図右で天井が固定されていれば、おもりは円運動となり、張力の向きと運動方向は常に垂直で、張力は仕事をしません。
※注 教科書見ると、仕事が物体にくわえた力ベクトルと物体の変位ベクトルの内積であるということ

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を教えないようですが、断然ベクトルを使って理解したほうが良いでしょう。
しかし、もし斜面が固定されていない場合、天井が車の天井の場合、垂直抗力、張力は仕事をしないのでしょうか? 以前から気になっていたのですが、どの問題集を見ても、無前提に力学的エネルギー保存則を使っています。それで本当に良いのでしょうか?
まず固定されていない斜面のほうから。 先の図で斜面は摩擦のない床の上に置かれているとします。斜面と物体間にも摩擦はありません。物体、斜面の質量はm,M、物体の水平方向、鉛直方向の加速度ax,ay、斜面の加速度A、斜面の傾きθ。 斜面から見た物体の相対運動は斜面に沿って動いていて、斜面は止まっているのですから、相対加速度は斜面の傾きと同じ傾きです。ということは静止系から見た物体の加速度の傾きは斜面の傾きと異なります。

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一方、垂直抗力は常に斜面に垂直です。そこでなにが言えるかというと、物体の運動方向と垂直抗力の向きは垂直でない、つまり垂直抗力は仕事をしているということです。 ところが、この手の問題のどの模範解を見ても、物体が鉛直方向hに滑り落ちたとき、物体、斜面の速度をv、Vとして、力学的エネルギー保存則

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が成り立つと書かれています。この式には垂直抗力がした仕事は含まれていません。 しかし、たしかに垂直抗力は仕事をしています。この整合性はどうなっているのでしょう。
このテーマつづく

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