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万有引力によって運動する物体の軌道

高校物理参考書『高校物理発想法』を出版しました。

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こんちは高校物理家庭教師です。

今回は、今話題のアイソン彗星が入学試験に出題されるとしたらどんな形か考えてみます。

高校の物理の授業でケプラーの法則を習ったと思います。覚えてますか?その第一法則は、太陽系列の惑星は太陽を焦点のひとつとする楕円軌道上を運動する、というものでした。アイソン彗星は惑星ではありませんが太陽からの万有引力で運動しています。そこでテレビや新聞などの報道を思い出してほしいのですが、アイソン彗星は一度太陽に接近したら、その後二度と戻ってこない、無限遠まで遠ざかってしまう、とありました。ま、実際は蒸発してしまって、戻ってこないどころか消えてしまったのですが、ポイントは、アイソン彗星の軌道は楕円軌道ではない、というところです。つまりケプラーの法則は対象を惑星以外に広げると高校で教えられている内容にちょっと修正が必要ということです。

ここで話は少し脱線します。ヨハネス・ケプラーは師匠ティコ・ブラーエが遺した膨大かつ正確な天体観測データを分析して太陽系の惑星の運行法則を導き出しました。ニュートン以前ですから微分積分などの数学的手法も知られていない時代に、観測データだけからケプラーの法則をわりだしたわけですからすごいですね。ニュートンに匹敵するくらいの天才ではないでしょうか。ところでケプラーとブラーエはなぜ天体観測をしていたのかといえば、はっきりいって星占いです。近代西洋の自然科学は占星術と錬金術から生まれました。運命を知りたかったのとおカネが欲しかったんですね。それでブラーエは本当に大量のデータを遺したわけですが、ケプラーが業績をぱくったのではないかという説があります。ブラーエは水銀中毒死した疑いもあり、ケプラーが毒殺したのでは、なんていう人もいるみたいです。今となっては真相はわかりませんが、大きな業績を遺すとねたむ人がいるということでしょうか・・・。ブラーエの生きた時代彗星がやってきていて、彼自身観測していました。ケプラーは1609年に惑星の運行法則を導きましたが、彗星にも適用するべきとは考えていなかったようです。いろいろ議論があった末、1687年にアイザック・ニュートンが万有引力の法則を発表し、万有引力の影響下で運動する物体は、軌道の形が円錐曲線の一種になるということを証明して、彗星の運動軌道について決着をみました。

閑話休題。
太陽系列の星の力学的エネルギーEは

E=1/2mv2-GmM/r

として表され

E<0で楕円軌道
E=0で放物線軌道
E>0で双曲線軌道

となります。

簡単な図にすると

万有引力運動の軌道

なぜ、このようになるか簡単に説明します。彗星が無限遠に到達するとして、その時の位置エネルギーは0です(r→∞)。その時の速さをVとすると、エネルギー保存の式は

E=1/2mV2

です。もしE<0だと、Vは解を持ちません。これは無限遠で速さを持つことが出来ない、つまり楕円軌道を描いて戻ってくることを表しています。E≧0だと無限遠に行くことが出切ることになります。

で、入試で出題されるとすれば、学校ではケプラーの法則を惑星に適用した場合しか習っていないわけですから、さきのエネルギーごとの軌道条件の式は与えられます。それと太陽からの距離rにおける速さvを与えておいて、アイソン彗星は二度と戻ってきませんがその条件でアイソン彗星の質量の範囲を求めよ、というのはありそうです。答えはmについて不等式E≧0を解くだけですが。

大学の出題者がホットな話題を好む人だったりしたら、出題するかもしれません。志望校が過去どんな感じの問題を出しているのかかるくあたってみるのもよいでしょう。

今回はそんなところです。

『高校化学 中和滴定』『高校化学 気体の製法の理論を整理すると』『高校化学 熱化学方程式の問題の解き方』を出版しました。kindle出版です。

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高校化学の熱化学方程式の問題は、場当たり的に解くのではなく、整理して系統的に解くべきです。それをまとめました。

わたくし、大阪の家庭教師が高校物理の参考書を出版しました。

タイトルは『高校物理発想法~あやふやな理解を明確に~』です。

『§3 v-t図の考え方』より

「物体の運動を考察する際、v-t図を使うと分かりやすい場合があります。v-t図の用い方は知っている人も多いかと思いますが、ひとつ喚起しておきたいことがあります。v-t図を作図せよ」、という設問があったら、それは、「これ以降の設問でv-t図を利用して解けば簡単に解けますよ」という誘導である場合が多い、ということです。物理の入試問題では、いかに出題者の誘導に乗るか、ということもポイントになってきますので、こういうこともしっかり押さえておきましょう。」

このように受験生が本当に必要としている実践的な知識を載せました。

『§4 「エネルギー保存の法則」「運動量保存の法則」の式をたてる際に注意すること』より

「運動量保存の法則は、「内力だけが働く系では、運動量の和が保存する」というものです。ここで運動量はベクトルですから分解することができます。すると、外力が働いていてもそれが一方向を向いていれば、それに垂直な方向は内力だけが働くことになりますから、その方向の運動量は保存します。したがって運動量保存を使うときは、まず働く力全てを内力と外力に区別し、外力が一方向を向いていないか調べることからはじめます。

教科書に載っている法則をただ覚えているだけではダメです。問題を解くとき具体的にどう使うのかまで理解していなくてはいけません。法則の正しい用い方を明確に説明しました。

他の参考書では書いていないような受験生が本当に必要としている事項満載です。

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