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中和滴定曲線からの酸塩基の特定

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化学の大学入学試験の問題で、中和滴定曲線が与えられ、そこから酸塩基がなにかを特定するという問題があります。センター試験でも頻出です。その解法のちょっとしたコツを紹介しますね。

つぎの二種の滴定曲線。

滴定曲線

かなり省略してありますが、縦軸がpH、横軸が滴下量です。左下から右上の形は酸を塩基で滴定したということです。塩基を酸で滴定なら左上から右下ですね。以下、酸と塩基を逆にすれば、曲線が逆で同じことが成り立つと思ってください。で、左はだいたい滑らかにpHが増えていって、中和し、またpHが増えていってます。右は、丸印をつけた部分に注目なのですが、一度pHが増えた後、やや傾きが平板になってから中和を迎えています。この部分をステージと呼ぶことにします(わたしが勝手に名づけた)。じつは、このステージから大きな情報が得られます。ステージがないほうは酸が強酸で、ステージがあるほうは酸が弱酸なのです。これを知っているとかなりスムーズに解答を進められます。理由はこうです。強酸は溶かすと即、ほぼすべて電離します。だから塩基を加えていくと順にH+とOHが反応していくだけですから、一様にpHは上昇していきます。弱酸の場合は、溶かしてもすべては電離しません。最初は電離しているH+とOHが反応しますから、pHは上昇していきます。だんだんH+が減っていくと、電離していなかった弱酸が電離してOHと反応します。この場合、H+もOHも増えませんからpHはあまり変化しません。それでステージができるのです。ところでこのpHがあまり変化しない溶液を緩衝溶液といいます。つまりステージの存在は溶液が緩衝作用を示しているということなのです。緩衝溶液は弱酸と弱酸が電離したイオンを多く含む溶液でしたね。このことからも、ステージがある、すなわち、pHがあまり変化していない、すなわち、緩衝作用を示している、すなわち、酸は弱酸、とわかります。

こんどは塩基側の情報です。中和後は滴下しても塩基が増えていくだけで中和は起こっていないので、右上側は弱塩基でもステージができたりしません。どこから情報を得るか。まず弱酸を弱塩基で滴定した場合、中和点付近でのpHの変化が少ないのです。弱酸は酸性が弱いですし、弱塩基は塩基性が弱いですから。そのため試薬で中和点を知ろうとした場合、適切な試薬がないのです。pH計を使えば弱酸ー弱塩基のペアでも中和点がわかりますが、入試で扱われるのはだいたいフェノールフタレインやメチルオレンジなどの試薬を使う滴定です。その場合、弱酸を弱塩基では滴定できません。よって、ステージの存在で弱酸とわかれば、相手は強塩基だと思ってよいでしょう。ちょっと裏技っぽいですかね・・・。

あとは、強酸を滴定しているのが弱塩基か強塩基かですが、中和後も滴下していけば、液性は滴下している塩基の液性に近づいていきます。そこで右上の終点のpHが滴下している塩基の濃度から求めたpHに近ければ強塩基、小さければ加水分解しているということですから弱塩基です。たとえば塩基が0.1(mol/l)になるように調整されているとして、強塩基なら右上のpHは13くらいになっているはずで、弱塩基なら加水分解しますから13より少なくなっているはずです(10くらいかな?)。正確には、強酸と強塩基でも中和はしているし、混合により体積も増えているので13より少し小さくなります。例えば、0.1(mol/l)の塩酸10(ml)を0.1(mol/l)の水酸化ナトリウムで滴定し、20(ml)加えたところで操作をやめるとします。半分中和されて体積が30(ml)ですから、[OH]=0.1/3(mol/l)で[H+]=3×10-13(mol/l)。pH=13-log3でlog3が0.5くらいですから13より0.5くらい小さくなります。弱塩基だったらもっと小さくなるわけです。

センター試験で出題されるのは、だいたい、弱酸を強塩基で滴定、か、弱塩基を強酸で滴定、が多いようです。

一般のテキストでは、中和点のpHから酸塩基の強弱を判定すると解説していますが、今回紹介した内容を知ってれば解答時間を短縮できると思いますよ。是非、役に立ててください。

今回のブログの内容を詳しくしたものをKindleにて出版しました。『高校化学 中和滴定』です。

高校化学 中和滴定 大阪の家庭教師シリーズ

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高校物理発想法

高校物理発想法

タイトルは『高校物理発想法~あやふやな理解を明確に~』です。

『§3 v-t図の考え方』より

「物体の運動を考察する際、v-t図を使うと分かりやすい場合があります。v-t図の用い方は知っている人も多いかと思いますが、ひとつ喚起しておきたいことがあります。v-t図を作図せよ」、という設問があったら、それは、「これ以降の設問でv-t図を利用して解けば簡単に解けますよ」という誘導である場合が多い、ということです。物理の入試問題では、いかに出題者の誘導に乗るか、ということもポイントになってきますので、こういうこともしっかり押さえておきましょう。」

このように受験生が本当に必要としている実践的な知識を載せました。

『§4 「エネルギー保存の法則」「運動量保存の法則」の式をたてる際に注意すること』より

「運動量保存の法則は、「内力だけが働く系では、運動量の和が保存する」というものです。ここで運動量はベクトルですから分解することができます。すると、外力が働いていてもそれが一方向を向いていれば、それに垂直な方向は内力だけが働くことになりますから、その方向の運動量は保存します。したがって運動量保存を使うときは、まず働く力全てを内力と外力に区別し、外力が一方向を向いていないか調べることからはじめます。

教科書に載っている法則をただ覚えているだけではダメです。問題を解くとき具体的にどう使うのかまで理解していなくてはいけません。法則の正しい用い方を明確に説明しました。

他の参考書では書いていないような受験生が本当に必要としている事項満載です。

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酸化還元半反応式の作り方

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今回は、酸化還元半反応式を二通り持つ物質の回で触れていた、酸化還元半反応式の作り方、についてやります。

わたしの作り方は一般に教科書や参考書で説明してあるやり方とちょっと違います。まず教科書に載っている方を説明しますね。酸化剤として酸性下のMnO4を例にとります。酸化数が変化する元素を含む物質が半反応式の左右で何か、は絶対に覚えておかなくてはなりません。今回の例では、MnO4からMn2+です。両者の酸化数を求めます。+7と+2ですね。左辺と右辺で酸化数の合計は等しく、酸化数が変化する元素はMnだけですから、左辺にeを5つ加えて調整します。これでMnO4+5e→Mn2+ですね。今度はH+を加えることで、電荷を左辺右辺で等しくします。この段階で左辺-1+(-5)=-6、右辺+2ですから、左辺に8H+を加えます。これでMnO4+8H++5e→Mn2+です。あとは両辺で原子の数が合うようにH2Oを加えます。MnO4+8H++5e→Mn2++4H2O。これで完成です。

上記のやり方で何の問題もないのですが、わたしのやり方はこうです。MnO4からMn2+を覚えておくのは同様です。それでMnO4からMn2+の変化で、H+によってOを4つ奪う、もぎ取ると考えます。4つもぎ取るには8H+が必要で、それが4H2Oになります。MnO4+8H+→Mn2++4H2Oですね。あとは電荷をそろえます。左辺が-1+8=7、右辺が+2ですから左辺に5eを足します。MnO4+8H++5e→Mn2++4H2O。これで完成。

整理します。

①まず、酸化数が変化する物質を左右に書く。

教科書に載っているやり方
②eを加えて酸化数をそろえる。
③H+を加えて電荷数をそろえる。
④H2Oを加えて原子数をそろえる。

わたしのやり方
②H+で反応物質からOをもぎ取ってH2Oにする。
③eを加えて電荷数をそろえる。

どうでしょうか。わたしは、わたしのやり方のほうが早いと思っているのですが。気に入った方は採用してみてください。

「わたしのやり方」と言いましたが、駿台文庫の『新理系の化学(上)』を参考にしました。

『新理系の化学』は少しレベルが高いですが、暗記の多い科目である化学の学習を、少しでも暗記を減らし、理論化・法則化して説明しようとしています。暗記が嫌い・苦手で理論のほうが好きと言う人には向いていると思います。わたしが現役のころは「新」はついていませんでしたが、すごくためになりました。特に『100選』はやっていて力がついているのがとても実感できました。難しい参考書ですがこなせれば大きな武器になると思いますよ。

 

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高校化学でさまざまな気体の製法を学びますが、その理論をあまり整理せずに、雑然と覚えている人が多いような気がします。本書ではそれらをキチンと整理します。

高校化学の熱化学方程式の問題は、場当たり的に解くのではなく、整理して系統的に解くべきです。それをまとめました。

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酸化力・還元力の序列の判定

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化学の試験問題で、自発的に起こる反応あるいは自発的に起こらない反応を挙げて、反応に関わる物質間で酸化力・還元力の序列を問う問題があります。

問題:KBr水溶液にCl2を加えるとBr2が生じて黄褐色になる。

Cl2+2KBr→2KCl+Br2

①この反応で酸化剤、還元剤はなにか
②逆反応の酸化剤、還元剤はなにか
③、①②の酸化剤はどちらが酸化力が強いか。還元剤の還元力はどうか。

①は酸化剤がCl2、還元剤がBr。②は酸化剤がBr2、還元剤がCl
③がこの投稿のテーマですが、端的に言って、反応式が右に進む場合、酸化剤、還元剤とも左辺にある物質のほうが強い、ということが言えます。この問題では酸化力Cl2>Br2、還元力Br>Clです。

酸化力・還元力

このビジュアルで覚えてください。問題で与えられた反応を反応式にして、酸化剤・還元剤を見極め、反応が進む向きに、強→弱です。ハロゲンの単体分子の酸化力ぐらいだったら暗記しているかもしれませんが、さまざまな物質が出てくる場合は今回のやり方で判定してください。

おまけ、酸化力・還元力の判定に加えて、わたしが似ていると思うもの。塩と酸の反応の反応予想。

弱酸の塩+強い酸→強酸の塩+弱い酸

揮発性の酸の塩+不揮発性の酸→不揮発性の酸の塩+揮発性の酸(要加熱)

右向きの反応がおこり、左向きは普通おこりません(下は加熱した場合)。酸を塩基と置き換えても成り立ちます。

 

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酸化還元半反応式を二通り持つ物質

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化学は暗記することがたくさんあります。暗記項目の分類は、ふつう、化学的な性質や法則が同様かどうかで分けてありますね。しかし、暗記の仕方が似ている、あるいは、暗記しにくさが似ている、という観点から分けてもいいのではないか、と私は常々感じています。

たとえば、沈殿で普通出来ると考えがちなものと異なるものだけを覚える。

普通、金属イオンの水溶液はOHとペアで金属水酸化物の沈殿を作る。Cu(OH)2やPb(OH)2などです。ところが銀イオンAg+はAgOHが不安定なためAgOHにはならずAg2Oの沈殿をつくります。

これと似ているとわたしが感じるのは、次のことです。金属イオンの水溶液に硫化水素H2Sを通じるとZnSやFeSの硫化物の沈殿をつくります。ところがAl3+では、硫化物のAl2S3は加水分解してAl(OH)3の沈殿になります。

そこで、両者は直には関係ないのですが、「AgOHじゃなくてAg2O」、「Al2S3じゃなくてAl(OH)3」、とまとめて覚えると覚えやすいのでは、と提案したいのです。どうでしょうか?

ほかにも挙げてみますね。酸化還元半反応式で、ひとつの物質が二通りの半反応式を持つものがあります。それをまとめて覚えましょう。

①液性で、半反応式が異なるもの

・MnO4
MnO4+2H2O+3e→MnO2+4OH(中性・塩基性)
MnO4+8H++5e-→Mn2++4H2O(酸性)
酸性ではH+がたくさんあるので、MnO4中のOをすべて奪うことができる、中性ではH+が少ないのでOをすべては奪えず二個残る、と私は覚えています。

・HNO3
HNO3+H++e→NO2+H2O(濃硝酸)
HNO3+3H++3e→NO+2H2O(希硝酸)
濃硝酸にはH2Oが少ないので、電離しているH+も少ない。だからH+はNO3からたくさんOを奪えない、と覚えます。

②酸化剤としても還元剤としてもはたらくもの

・H2O2
H2O2+2H++2e→2H2O(酸化剤)
H2O2→O2+2H++2e(還元剤)

過酸化水素の酸化数

・SO2
SO2+4H++4e→S+2H2O(酸化剤)
SO2+2H2O→SO42-+4H++2e(還元剤)

二酸化硫黄の酸化数

このほかに、鉛蓄電池を充電するときのPbSO4(Pb2+)、塩素Cl2を水に溶かしてHClとHClOにするときのCl2も酸化剤としても還元剤としてもはたらきますが、逆にこれは一緒に覚えないほうが良いような気がします。半反応式が二つある物質は4種だと覚えればよいでしょう。

記憶は、記憶と記憶をひっかけるフックがたくさんあるほうが良く覚えられますし、思い出しやすくもなります。教科書にある分類だけではなく、自分で、こういうふうに覚えよう、と法則をこしらえて、フックをつくって覚えましょう。

今回は酸化還元反応の半反応式がでてきましたが、その立て方・覚え方はやりませんでした。またの機会(酸化還元半反応式の作り方)にやりたいと思います。

 

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H2O、H+、OH-が出てくる式の扱い方

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液体の水において、水分子はつぎのように、電離平衡しています。

H2O↔H++OH

 

この式を念頭において、H2O、H+、OHが出てくる水溶液中の化学反応式では、水溶液の酸性・塩基性に応じて、両辺にH+を足すなどして調整してやるとよいです。これだとなにを言っているのか分かりにくいと思いますので、具体例を挙げてみます。

アンモニア水溶液中で、アンモニアはつぎのような平衡になっています。

NH3+H2O↔NH4++OH・・・①

この水溶液に塩酸を加えるなどして、強い酸性にしたとしましょう。すると平衡が移動します。酸性ですからOHはほとんどありませんので、①の式にOHがあるのはおかしい、そこで両辺にH+を加えて、調整します。

NH3+H2O+H+↔NH4++OH+H+

NH3+H2O+H+↔NH4++H2O

NH3+H+↔NH4+・・・②

となります。酸性にしたので、H+は増加、よってルシャトリエの原理より②の平衡は右に移動します。酸性下では、アンモニアはアンモニウムイオンになるというわけですね。

つぎの例。酢酸ナトリウム水溶液は次のような平衡になっています。

CH3COO+H2O↔CH3COOH+OH・・・③

弱酸の塩が加水分解して塩基性になるという式ですね。この水溶液を酸性にします。先程と同様に、酸性溶液中にOHがあるのはおかしいので、③の両辺にH+を足してやります。H2Oを消去するなどして、整理して。

CH3COO+H+↔CH3COOH・・・④

酸性なので、④の平衡は右に進みます。加水分解が進むというわけですね。

さらに別の例を挙げてみます。

電気分解で、陽極の電極が白金Ptや炭素の場合、溶液中に塩素イオンがなければ、つぎの反応で酸素が生じる、と習ったと思います。

4OH→O2+2H2O+4e・・・⑤

これで正しいのですが、私が思うに、式にOを含むものが3つも出てきて、気持ち悪い、というか式が立てにくい。それで

2H2O→O2+4H++4e・・・⑥

この式なら、逆反応を考えると、酸素と水素イオンが反応して水が生じた、と分かりやすく、立式も簡単。この式の両辺に4OHを足して、両辺のH2Oを消去すれば、⑤になりますね。⑤は陽極だから陰イオンが引き寄せられて反応するという解釈で、⑥は水溶液中の水が反応したという解釈。私的には、⑤も⑥も同じことだと思うのです。⑤の反応では水が生じ、⑥では水素イオンが生じているから、どちらでもよいというのはおかしいと思うかもしれません。しかし、そもそも⑤の左辺の4OHは水が電離して生じたものです。つまり、電離したときに4H+が生じているはずです。そう考えてみると、やはり⑤と⑥は同じことですね。しかし、受験化学では、溶液の液性が塩基性のときは⑤、中性・酸性のときは⑥、とすることになっています。

2H++2e→H2

も、中性、塩基性の溶液では両辺にOH-を加えて

2H2O+2e→H2+2OH

とします。

まとめますと

水溶液が酸性の場合:反応式の両辺にOHがあってはならない

水溶液が塩基性の場合:反応式の両辺にH+があってはならない

水溶液が中性の場合:反応式の左辺にH+、OHがあってはならない

以上の約束にしたがってH+やOHを両辺に加えて調整します。

 

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等量関係・比例関係を見抜く(化学)

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高校化学の理論の問題は、結局「等量関係・比例関係を見抜く」ということに尽きると思います。等量関係・比例関係自体は、「水素イオンH+と水酸化物イオンOHが1対1で反応する」という単純なもので、そうは難しくありません。比例の式を立てて解くことも中学の数学で習ったことです。それでは、なにが難しいのかといえば、なにとなにが等しいのか、なにとなにが比例しているのか、を実験等の操作を複雑にして、見抜きにくくしてあるのです。今回はそれを見ていきます。

まず、比例関係の基本。

未知の濃度のH2SO4水溶液10mLを、0.10mol/LのNaOH水溶液で滴定すると10mL要した。H2SO4の濃度を求めよ。

考え方の基本は、H+とOHが1対1で反応する、ということです。H2SO4からH+は、濃度をxとして、x×10×10-3×2mol放出されます。係数の2がポイントです。NaOHからはOHは0.10×10×10-3放出されます。この両者が等しい。

x×10×10-3×2=0.10×10×10-3・・・①

(体積は両方mLですから、両辺とも10-3はかけないということも出来ます)

これを解いてx=0.050mol/Lです。

または

H2SO4+2NaOH→Na2SO4+2H2O

と化学反応式を立てて、式の係数から、H2SO4のmol数:NaOHのmol数=1:2、として同様の等式を導くことも出来ます。

ここで注意。①の等式が立ったところで、すぐに解かずに、いったん立ち止まって、係数が正しいかどうか必ず確認してください。つまり、「H2SO4から出るH+は2個でるから2倍であってるな」あるいは「化学反応式から比が1:2だからあってるな」と確認してから計算に取り掛かってほしいのです。それくらい間違わない、と思うかもしれませんが、複雑な問題になると、ほかに気をとられて、うっかりミスをしてしまいがちなのです。必ず係数を確認しましょう。

では、すこし複雑な問題。

塩化アンモニウム水溶液にNaOHを十分加えて加熱した。発生した気体すべてを0.10mol/LのH2SO410mlに吸収させ、未反応のH2SO4を0.10mol/LのNaOHで滴定したところ10ml要した。発生した気体のmol数を求めよ。

化学の問題を解き慣れていない人には難しく感じるかもしれません。まず発生した気体がなにか確定しないといけません。NH4ClとNaOHの反応ですから

NH4Cl+NaOH→NaCl+NH3↑+H2O

ですので、発生する気体はアンモニアです。アンモニア1molが水に溶けるとアンモニウムイオンとOHが1molずつ出来ます。アンモニアが出したOHとH2SO4が中和反応し、さらにその残りのH2SO4とNaOHが中和反応するわけです。わかりますか?こんがらがってきましたか?

つまりアンモニアが出したOHとNaOHが出したOHの和がH2SO4が出したH+と等量ということです。H2SO41molからはH+が2mol出ることに注意して

x+0.10×10×10-3=0.10×10×10-3×2

ここで、先程述べたように、係数を確認。アンモニアとNaOHからは1つずつOHが、H2SO4からは2つH+が出ます。式と比べて合ってますね。

x=1.0×10-3mol

となります。

比例関係自体は単純ですので、その関係を見抜けるかどうかにかかっています。良問を多くこなして、慣れていきましょう。

わたしの講義では良問を多く与え、比例関係を見抜く訓練を行います。興味のある方はご一報を。

 

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タイトルは『高校物理発想法~あやふやな理解を明確に~』です。

『§3 v-t図の考え方』より

「物体の運動を考察する際、v-t図を使うと分かりやすい場合があります。v-t図の用い方は知っている人も多いかと思いますが、ひとつ喚起しておきたいことがあります。v-t図を作図せよ」、という設問があったら、それは、「これ以降の設問でv-t図を利用して解けば簡単に解けますよ」という誘導である場合が多い、ということです。物理の入試問題では、いかに出題者の誘導に乗るか、ということもポイントになってきますので、こういうこともしっかり押さえておきましょう。」

このように受験生が本当に必要としている実践的な知識を載せました。

『§4 「エネルギー保存の法則」「運動量保存の法則」の式をたてる際に注意すること』より

「運動量保存の法則は、「内力だけが働く系では、運動量の和が保存する」というものです。ここで運動量はベクトルですから分解することができます。すると、外力が働いていてもそれが一方向を向いていれば、それに垂直な方向は内力だけが働くことになりますから、その方向の運動量は保存します。したがって運動量保存を使うときは、まず働く力全てを内力と外力に区別し、外力が一方向を向いていないか調べることからはじめます。

教科書に載っている法則をただ覚えているだけではダメです。問題を解くとき具体的にどう使うのかまで理解していなくてはいけません。法則の正しい用い方を明確に説明しました。

他の参考書では書いていないような受験生が本当に必要としている事項満載です。

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