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鉛直面内の円運動と仕事(教えて!gooより)

教えて!gooに下のような質問がよせられました。

、この物理基礎の問題を丁寧に 解説してください!!まったくわかりません。

簡単な解説は回答に示しておきました。ここではもう少し詳しく説明します。

要するに鉛直面内での糸の張力による円運動において重力と張力のする仕事はいくらかという問題です。

仕事=力の大きさ×変位の大きさ×cos(力と変位の成す角)

=力の大きさ×力方向の変位の大きさ

あるいは

仕事=力ベクトルと変位ベクトルの内積

変位とは向きも含めた移動距離のことです。例えば「右に2[m]」などです。

ベクトルの内積については数学で習います。高校物理では内積を使わずに教えるようですが、内積を用いて理解するほうが良いです。数学で習ったら物理の仕事に戻ってみてください。

それで鉛直面内の円運動と仕事です。まず重力ですが、重力は鉛直向きです。ですから物体が鉛直方向にどれだけ移動したのかが分かれば仕事は求まります。水平方向の変位は考えてはいけません。この問題の例では、鉛直下向きに0.10[m]変位しています。重力は鉛直下向きに5.0[kg]×9.8[m/s2]=49[N]です。よって仕事は49[N]×0.10[m]=4.9[J]です。

こんどは張力がした仕事です。ここで「仕事=力の大きさ×変位の大きさ×cos(力と変位の成す角)」を思い出してほしいのですが、この式から力と変位の成す角が90°であればcos90°=0ですから仕事は0であることが分かります。力と直角な方向に物体が動いても、力は仕事をしたことにはならないということです。この円運動では各瞬間変位の向きは円の接線方向を向いています。張力は円の径方向ですから、各瞬間の力と変位は垂直です。よって各瞬間張力のする仕事は0で、すべての時間を通しても仕事は0です。

少し難しい説明をすると、張力と物体の速度が一定と見なせるような微小時間Δtの間に張力が下仕事をΔWとおきましょう。一定の力をF、速さをvとします。この微小時間の移動距離はvΔtで、力と変位の成す角は90°です。よってΔW=FvΔtcos90°=0となってやはり仕事は0です。

ベクトルを用いると

ΔW=(力ベクトル)と(速度ベクトル×Δt)の内積

で、互いに垂直な2つのベクトルの内積は0ですからΔW=0です。

物理において仕事はとても大切なところなのでしっかり理解しましょう。

今回のポイントは

力と変位が垂直なら仕事は0

仕事を求めるとき、力と垂直な方向の変位は無視して、力方向の変位だけを考えると良い

 

仕事に関して、拙著『高校物理発想法』で詳しく説明しています。

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『高校物理発想法』を紹介します。

『§3 v-t図の考え方』より

「物体の運動を考察する際、v-t図を使うと分かりやすい場合があります。v-t図の用い方は知っている人も多いかと思いますが、ひとつ喚起しておきたいことがあります。v-t図を作図せよ」、という設問があったら、それは、「これ以降の設問でv-t図を利用して解けば簡単に解けますよ」という誘導である場合が多い、ということです。物理の入試問題では、いかに出題者の誘導に乗るか、ということもポイントになってきますので、こういうこともしっかり押さえておきましょう。」

このように受験生が本当に必要としている実践的な知識を載せました。

『§4 「エネルギー保存の法則」「運動量保存の法則」の式をたてる際に注意すること』より

「運動量保存の法則は、「内力だけが働く系では、運動量の和が保存する」というものです。ここで運動量はベクトルですから分解することができます。すると、外力が働いていてもそれが一方向を向いていれば、それに垂直な方向は内力だけが働くことになりますから、その方向の運動量は保存します。したがって運動量保存を使うときは、まず働く力全てを内力と外力に区別し、外力が一方向を向いていないか調べることからはじめます。

教科書に載っている法則をただ覚えているだけではダメです。問題を解くとき具体的にどう使うのかまで理解していなくてはいけません。法則の正しい用い方を明確に説明しました。

他の参考書では書いていないような受験生が本当に必要としている事項満載です。

詳しくはこちらをどうぞ

同心球コンデンサの電気容量(教えて!gooより)

教えてgoo!の質問に答えたいと思います。

「電磁気学の問題です」

同心球コンデンサがあり、その内半径a[m]、外半径b[m]であるとき、球の中心を通る平面で2等分し、その半径にεの誘電体を満たすと全体の静電容量はいくらになるか

という問題です。質問ページ(上のリンク)に図がありますので参照してください。

まずガウスの法則について説明します。

電場の強さがE[N/C]の場所で、その電場に垂直な単位面積をつらぬく電気力線の本数をE[本/m2]と約束します。Q[C]の点電荷があって、その点電荷を中心とする半径rの球上の電場の強さはクーロンの法則からE=kQ/r2 で向きは球面に垂直ですから、この球面をつらぬく電気力線の本数をN[本]とすると、先程の約束に従ってN[本]=E[本/m2]×4πr2[m2]=4πkQ[本]です。ところで点電荷を囲む閉曲面をつらぬく電気力線の本数は閉曲面がどんな形をしていても同じですね。ということは閉曲面をつらぬく電気力線の本数Nは、閉曲面内に存在する電荷をQ[C]とするとN=4πkQが言えます。さらにその閉曲面上で電場の強さEが一定で閉曲面を垂直につらぬいているのなら閉曲面の面積をSとするとN=ESですから、結局4πkQ=ESになります。ここで真空のクーロン力定数kに対して真空の誘電率ε0を4πkε0=1と約束すると

Q/ε0=ES

これがガウスの法則です。使い方は、まず電荷を囲む閉曲面を設定します。閉曲面上で電場が強さ一定で垂直につらぬくように設定するのがコツです。そして先の式を立てます。すると電場Eが求まるという段取りです。

比誘電率εrの誘電体中では

Q/εrε0=ES

Q/ε=ES (ε=εrε0とおいた。これを誘電体中の誘電率という)

と真空中のガウスの法則と同様の式が成り立ちます。

それでは問題を解いていきます。真空のほうの半球をA、誘電体があるほうの半球をBと呼ぶことにしましょう。A側とB側で蓄えられている電荷が異なります。QA、QBとおきましょう。内球、外球とも一体の導体ですからそれぞれ全体が等電位です。内球が外球より電位がV高いとおきます。Q=QA+QBとしてQ=CVのCが求めるものです。電位差がA側、B側で同じですから、電場もA側、B側で同様になっています。ここでガウスの法則を使います。閉曲面を設定するのでしたね。A側に半径rの半球の閉曲面を設定しましょう。平面の部分には電場はありません。球面の部分は電場の強さは一定で垂直につらぬいています。この強さをE(r)とおきましょう。するとガウスの法則から

QA0=E(r)・4πr2/2

B側も同様に考えて

QB/ε=E(r)・4πr2/2

よってQB=ε/ε・QA

またE(r)=QA/2πε0r2

電位と電場の関係よりV=∫E(r)dr(積分範囲はaからb)

V=∫(QA/2πε0r2)dr

これを解いてV=QA/2πε0・(1/a-1/b)

これらをQ=CVに代入して

QA+ε/ε0・QA=C{QA/2πε0・(1/a-1/b)}

∴C=2π(ε0+ε)/(1/a-1/b)

以上が解答です。この問題は積分を使いますので高校物理の範囲を逸脱していますが、閉曲面を設定してガウスの法則を用いるという解法は身に着けたいです。

拙著『高校物理発想法』でガウスの法則の使い方を詳しく解説しています。

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『高校物理発想法』を紹介します。

『§3 v-t図の考え方』より

「物体の運動を考察する際、v-t図を使うと分かりやすい場合があります。v-t図の用い方は知っている人も多いかと思いますが、ひとつ喚起しておきたいことがあります。v-t図を作図せよ」、という設問があったら、それは、「これ以降の設問でv-t図を利用して解けば簡単に解けますよ」という誘導である場合が多い、ということです。物理の入試問題では、いかに出題者の誘導に乗るか、ということもポイントになってきますので、こういうこともしっかり押さえておきましょう。」

このように受験生が本当に必要としている実践的な知識を載せました。

『§4 「エネルギー保存の法則」「運動量保存の法則」の式をたてる際に注意すること』より

「運動量保存の法則は、「内力だけが働く系では、運動量の和が保存する」というものです。ここで運動量はベクトルですから分解することができます。すると、外力が働いていてもそれが一方向を向いていれば、それに垂直な方向は内力だけが働くことになりますから、その方向の運動量は保存します。したがって運動量保存を使うときは、まず働く力全てを内力と外力に区別し、外力が一方向を向いていないか調べることからはじめます。

教科書に載っている法則をただ覚えているだけではダメです。問題を解くとき具体的にどう使うのかまで理解していなくてはいけません。法則の正しい用い方を明確に説明しました。

他の参考書では書いていないような受験生が本当に必要としている事項満載です。

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