カテゴリー別アーカイブ: 化学

高校化学の学び方

高校化学の学び方について述べます。

おおまかに、数式にして解く理論と覚えなければいけない暗記事項に分かれると思います。

理論は

①変化の中で一定に保たれるものを見つけて等式をつくる

(主にmol数の等式)

②比例関係を見抜く

H+OH11で反応するなど)

基本的に等式を立てて解くのですから、変化の前後で等しいものはなんだろう、と考えます。入試問題で、複雑な状況設定にしてあっても、要は、等しいものを見つければよいです。

暗記事項ですが、暗記のコツは

○最初から順番にすべて覚えようとしない

おおまかな構造(目次、章立て)から、だんだん細かい内容に

○ビジュアル重視、聴覚も

紙面のあの辺に書いてあった

何色で書いてあった、太字だった

写真が載っていた

あんな形だった

○声に出す、書いてみる

化学の内容は、いろんなところでいろいろにつながっています。ですから、網の目状にいろんなところにフックをかけながら、有機的に覚えていきます。フックが多ければ多いほど記憶は強化されますので、自分なりにいろいろ関係づけてやればよいでしょう。語呂合わせなんかもありです。

わたしが考えたわたしなりのフック

あとはなにを暗記すべきなのかという問題が残りますが、わたくし、大阪の家庭教師の指導ではなにを覚えるか的確に教えます。

 

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高校化学の見取り図

高校化学のおおまかな見取り図を示します。

①物質は原子でできている

原子の性質(構造、周期性)

②原子と原子の結合

③原子と原子の立体構造(結晶中)

④物質の状態

物質の三態(気体、液体、固体)

気体と水溶液の性質

⑤化学反応(原子の組み換え)

化学反応の理論(熱、反応速度・平衡)

化学反応の型

⑥具体的な化学物質

無機化合物

有機化合物

おおざっぱに高校化学で学ぶことのメインを言ってしまうと

反応の理論反応の型に基づいて具体的な反応、無機物・有機物について学ぶ。それに加えて気体の性質水溶液の性質を学ぶ

箇条書きにすると

〇気体の性質・水溶液の性質

〇反応の理論・反応の型

〇具体(無機物・有機物)

〇高校で扱う物質の状態はおもに気体と水溶液です。ここでは、化学反応(原子の組み換え)は考えていません。

気体

状態方程式pV=nRT

水溶液

固体の溶解度、気体の溶解度、蒸気圧降下・沸点上昇・凝固点降下・浸透圧

〇反応の理論

反応と熱

反応の速さ・平衡

化学反応を法則的に理解するために、熱と速さに注目する、ということです。

〇高校で扱う反応の主な型(おそらくここが一番重要)

 ①酸化・還元反応

 ②酸・塩基反応

 ③沈殿反応

 ④錯イオン生成反応

〇その他

溶液の色や沈殿の色も大切

結晶格子とコロイドは周りから浮いている感じなので後から学んでも良い

 

以上が高校化学のおおまかな見取り図です。はっきり言って、メインは、「反応の理論・反応の型」、「気体の性質、水溶液の性質」だと思っていいです。

今回述べたことは、覚えるというよりは、高校化学を学びながらときどき振り返って、いまこの辺りを習っているのだなと自分の立ち位置を把握するのに使ってください。

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どの参考書・問題集を使うか(化学編)

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前回の物理編につづいて化学編です。

わたしが最も頼りにしている化学の参考書・問題集は駿台の『新理系の化学(上)(下)』『新理系の化学問題100選』です。

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この書は暗記事項の多い高校化学をいかに整理して論理的・法則的に考えるかという視点で書かれており、学習者を明確に導いてくれます。

高校生には難しいという評価も聞かれますが、わたしは難しいということはわかりにくいということとは違うと思います。例えば、中学の理科の教科書を見ると、難しい説明は省いて簡単に結果だけを書いています。確かに”簡単に”書いてあるのですが、これでは逆に理解は難しいでしょう。きちんとこれが成り立つ理由はこういうことがあるからだと説明されてはじめて理解できるというものです。難しいことは避け、すべて暗記してしまうという”簡単な”勉強法もあるでしょう。それをやりだすと暗記する量はどんどん増えていきますし、すこし応用されるともうついていけないということになります。そもそもより多くの自然現象をより少ない法則で説明するという科学の目的にはまったく反した勉強法です。そんなものはただのうわっつらの受験対策にすぎず勉強でもなんでもありません。・・・長口上になりましたが、わたしのこういう勉強スタイルに応える参考書が『新理系の化学』だったわけです。「難しくてもわかりやすい」、とわたしは思っています。

わたしが現役のとき、なかなか自分に合った化学の参考書が見つからず、高校3年の11月になって『理系の化学』『問題100選』に出会いました(当時は「新」はついてなかった)。これこそ自分の探していたものだと感涙モノでした。受験直前だったのでそこから毎日3時間やり、本番の京大2次試験に間に合わせました。結果は1問間違いでした。満点目指したんだけどね。

石川正明先生の参考書はすべて、高校化学をいかに整理して論理的・法則的に考えるかという視点で書かれており、ほかの参考書もよいと思います。わたしは特に『100選』の問題の厳選ぶりには目を見張ります。これを十分こなしていればどこの大学でも合格圏以上の点を取れるでしょう。

それから網羅的で詳しいのが『化学の新研究』です。

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問題集もあります。

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これはわたしが現役のときにはなかったものですが、なかなかよいものだと思います。辞書がわりにもなるでしょう。

話はそれますが、皆さんは参考書・問題集を買う時どうしてますか?基本は書店で立ち読みしてみてでしょうか。わたしが現役のときはほとんどそれしかありませんでした。地方の大きな書店がない受験生ははじめから不利でした。今はネットという素晴らしいものがありますね。不平等は解消されていると思います。アマゾンのレビューは参考書を選ぶ時の強力なツールになりますね。自分にあうかどうかかなりの情報です。現役のときにこんなものがあればよかったのにと思います。

異色の参考書を紹介しておきます。

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思考訓練の場としての体系化学 受験化学 [ 天野光信 ]
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この書は、「体系的」ということを強調していて、”化学計算原理”「化学変化の前後における、不変の化学量をとらえ等式化する」から導かれる8つの化学基礎公式と8つの化学反応公式で、理論化学の問題を体系的に解く、としています。化学の問題を解いていて、なぜこのような式を使うのか、解答をみても理由がよくわからない、という人は一度ひも解いてみるとよいかもしれません。ただもうある程度化学の解き方が身についてしまっている人には向かないと思います。とにかく他の参考書と比べて異色なので、そういう前提を理解したうえで手にしてみてください。

あと、化学は溶液や沈殿の色などヴィジュアル要素が強いので写真を多く載せた図録があると良いと思います。

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フォトサイエンス化学図録3訂版 [ 数研出版編集部 ]
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この手のモノはおそらく学校で買わされていると思います。

入門向けでわかりやすいのが

受験生が必要としている知識をズバリ指摘していて、入門書としては定評があります。最初はこれとセミナー、リードαなどの教科書傍用問題集をやるとよいと思います。

以下のような書も参考にしてください。

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親と子の最新大学受験情報講座 理系編 3訂版 [ 天流 仁志 ]
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『§3 v-t図の考え方』より

「物体の運動を考察する際、v-t図を使うと分かりやすい場合があります。v-t図の用い方は知っている人も多いかと思いますが、ひとつ喚起しておきたいことがあります。v-t図を作図せよ」、という設問があったら、それは、「これ以降の設問でv-t図を利用して解けば簡単に解けますよ」という誘導である場合が多い、ということです。物理の入試問題では、いかに出題者の誘導に乗るか、ということもポイントになってきますので、こういうこともしっかり押さえておきましょう。」

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『§4 「エネルギー保存の法則」「運動量保存の法則」の式をたてる際に注意すること』より

「運動量保存の法則は、「内力だけが働く系では、運動量の和が保存する」というものです。ここで運動量はベクトルですから分解することができます。すると、外力が働いていてもそれが一方向を向いていれば、それに垂直な方向は内力だけが働くことになりますから、その方向の運動量は保存します。したがって運動量保存を使うときは、まず働く力全てを内力と外力に区別し、外力が一方向を向いていないか調べることからはじめます。

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「還元性がある」とは

 

有機化学の分野で、「この化合物は還元性を示す」といった表現があります。
「還元性がある」とは何を指しているのでしょうか。還元性を持たない物質なんてあるのでしょうか。どんな物質でも少しは還元性を示すのではないでしょうか。
例えば、エタノールは酸化されてアセトアルデヒドになります。「酸化された」ということは、還元性を示したということですね。しかしエタノールは還元性を持つとは言いません。
ルールがあるのです。銀鏡反応が陽性な物質を還元性があると言うのです。
エタノールは銀鏡反応を示さないので、多少還元性を有していても「還元性がある」とは言わないのです。

銀鏡反応陽性な有機化合物、つまり還元性のある物質は、構造的には-CHO構造を持つものです。具体的には、アルデヒド、ギ酸、ギ酸エステル(あとシュウ酸)です。

還元性の判断基準として銀鏡反応のほかにフェーリング反応もありますが、ギ酸はフェーリング反応陰性です。

あと、糖類の還元性についても理解しておいた方がよいです。グルコース、フルクトース、スクロースetc。

有機化合物の還元性とは以上のようなことを指しています。

用語の意味を明確に理解しましょう。

 

 

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銅が酸化した???

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日常生活で「銅が酸化した」という表現がされることがあります

しかし、この表現は学問的に正しくありません。

「酸化する」という動詞は他動詞なのです。つまりキチンと書くと

「酸素が銅を酸化した」

となります。銅を主語にすると、受動態にして

「銅が酸化された」

が正しい表現です。

「還元する」も同様に他動詞です。

化学のテストで「銅が酸化した」などと表現すると減点対象です。

 

このように学問的に正確に表現すると、日常とは異なるというケースがあります。

わたくし大阪の家庭教師の授業ではこういったこともしっかり教えます。

 

 

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混合溶液の体積

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今回は犯しがちなミスについてです。

0.2mol/LのHCL水溶液1Lと0.1mol/LのNaOH水溶液1Lを混合したとき、H+の濃度はいくらか、という問題。ごく簡単な問題ですが罠が潜んでいます。うっかり0.2mol/L-0.1mol/L=0.1mol/Lとしてしまいそうです。正答は1Lの水溶液と1Lの水溶液を混合したのですから混合溶液の体積は2Lになっていて、濃度は先程求めた0.1mol/Lの半分になります。どうです、ひっかかりませんでしたか?

このミスはまったく化学に本質的なミスではなく、単純なうっかりミスです。直径が与えられているのに半径だと思って面積や円周を求めてしまうなども同様なミスです。こういう早とちり心理を突いてくる問題は、日ごろからノウハウを蓄積しておかなくてはなりません。

「電離定数から混合溶液のpHを求めよ」、「溶解度から混合溶液で何グラム溶質が析出するか」、といった問題などで十分注意してください。

※なお、混合溶液の体積は各溶液の体積の和になるとは限りません。問題文に「ただし、混合溶液の体積は各溶液の体積の和としてよい」などと注意がつくと思います。

 

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イオン化エネルギー・電子親和力・電気陰性度・原子半径・イオン半径の傾向

 

イオン化エネルギー・電子親和力・電気陰性度・原子半径・イオン半径の傾向について説明したいと思います。

まず定義から

・イオン化エネルギー 原子から電子を取り去るのに必要なエネルギー

→大きいほど陽イオンになりにくい

・電子親和力 原子が電子を受け入れたときに放出する熱(「力」とあるが熱)

→大きいほど陰イオンになりやすい

・電気陰性度 原子間で共有された電子対を引き寄せる勢い

→どのような結合(共有結合、イオン結合、金属結合)かを決める指標

(イオン化エネルギー、電子親和力の単位はジュール/molで、電気陰性度は大小関係(どちらが強いか)が分かればよく、特に単位は決まっていません。水素Hの電気陰性度を2.1とすることが多い)

 

・第1イオン化エネルギーの傾向

典型元素では

①原子核の陽子数が大きいほど(プラスが大きいのだから)、電子は取り去りにくい。

②原子核から取り去る電子の軌道までの距離が遠いほうが、電子は取り去りやすい。

よって第1イオン化エネルギーは

・同一周期の元素では、最外殻電子の軌道はおなじだから、①の効果で原子番号が大きいほど(右に行くほど)大きい。

・同属では、原子番号が大きいほど(下に行くほど)、最外殻電子までの距離が大きいので②の効果から第1イオン化エネルギーは小さくなります。原子番号が大きいほど陽子数が大きいので、①の効果が大きくでそうですが、同族では有効核電荷が等しいので①の効果は等しくなります。有効核電荷とは、例えばNaは価電子が1個で残りの10個の電子が閉殻構造で陽子が11個ですから、11-10=1で有効核電荷は+eです。Kは価電子が1個で残りの電子18個が閉殻構造で陽子が19個ですから、19-18=1で有効核電荷は同じく+eです(物理のガウスの法則ですね)。

イメージ

イオン化エネルギー

おおまかな傾向はこのように周期表の左下から右上に大きくなるですが

もうすこし正確には

このようになります。

典型元素のイオン化エネルギーは、左下から右上で少しジグザグすると覚えてください。

遷移元素のイオン化エネルギーはあまり変化しません。

・第1電子親和力の傾向

①ハロゲンが特に大きい

②第1電子親和力は第1イオン化エネルギーよりかなり小さい

③2属、12属、18属はほぼ0

・電気陰性度の傾向

電気陰性度は第1イオン化エネルギーと第1電子親和力の和に比例します(『新理系の化学(上)』41ページ参照)。

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そして、第1電子親和力は第1イオン化エネルギーよりかなり小さいのですから、電気陰性度の傾向は第1イオン化エネルギーの傾向とほぼ一致します。

・原子半径の傾向

最外電子殻までの距離が遠いほど大きく、最外電子殻までの距離が同じなら原子核の陽子数が大きいほど小さくなりますから、イオン化エネルギーのイメージ図の逆になります。ただし、これは18属を除いた傾向です。また、原子半径には、共有結合半径とファンデルワールス半径があります。共有結合半径<ファンデルワールス半径です。

・イオン半径の傾向

最外電子殻までの距離が遠いほど大きいので、同属では下に行くほど大きいのはよしとして、問題は同一周期です。例えば、Na+,Mg2+,Al3+,O2-,Fではどうなるかと言うと、これらはすべて同じくネオン型の電子配置です。よって陽子数が大きいほど、すなわち原子番号が大きいほど小さいということになります。よってO2-,F,Na+,Mg2+,Al3+,順に大→小です。ところがこれらのイオンの元素は同一周期ではありません。ということは「同一周期の元素でイオン半径はどういう傾向にあるか」と聞かれたら、「一定の傾向はない」と答えなければなりません。傾向がないわけではないが、同一周期でと聞かれたらということです。陽イオン半径は原子半径より小さく、陰イオン半径は原子半径より大きくなります。

まとめ

①第1イオン化エネルギーと電気陰性度の傾向

イオン化エネルギー

②第1電子親和力の傾向

ハロゲンが特に大きい

③原子半径の傾向

イオン化エネルギーのイメージ図の逆(ただし、18属は除く)

④イオン半径の傾向

同属では下に行くほど大きい。同一電子配置では原子番号が大きいほど小さい。同一周期では一定の傾向はない。陽イオン半径は原子半径より小さい、陰イオン半径は原子半径より大きい。

これだけ覚えていれば良いでしょう。

 

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中和滴定曲線からの酸塩基の特定

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化学の大学入学試験の問題で、中和滴定曲線が与えられ、そこから酸塩基がなにかを特定するという問題があります。センター試験でも頻出です。その解法のちょっとしたコツを紹介しますね。

つぎの二種の滴定曲線。

滴定曲線

かなり省略してありますが、縦軸がpH、横軸が滴下量です。左下から右上の形は酸を塩基で滴定したということです。塩基を酸で滴定なら左上から右下ですね。以下、酸と塩基を逆にすれば、曲線が逆で同じことが成り立つと思ってください。で、左はだいたい滑らかにpHが増えていって、中和し、またpHが増えていってます。右は、丸印をつけた部分に注目なのですが、一度pHが増えた後、やや傾きが平板になってから中和を迎えています。この部分をステージと呼ぶことにします(わたしが勝手に名づけた)。じつは、このステージから大きな情報が得られます。ステージがないほうは酸が強酸で、ステージがあるほうは酸が弱酸なのです。これを知っているとかなりスムーズに解答を進められます。理由はこうです。強酸は溶かすと即、ほぼすべて電離します。だから塩基を加えていくと順にH+とOHが反応していくだけですから、一様にpHは上昇していきます。弱酸の場合は、溶かしてもすべては電離しません。最初は電離しているH+とOHが反応しますから、pHは上昇していきます。だんだんH+が減っていくと、電離していなかった弱酸が電離してOHと反応します。この場合、H+もOHも増えませんからpHはあまり変化しません。それでステージができるのです。ところでこのpHがあまり変化しない溶液を緩衝溶液といいます。つまりステージの存在は溶液が緩衝作用を示しているということなのです。緩衝溶液は弱酸と弱酸が電離したイオンを多く含む溶液でしたね。このことからも、ステージがある、すなわち、pHがあまり変化していない、すなわち、緩衝作用を示している、すなわち、酸は弱酸、とわかります。

こんどは塩基側の情報です。中和後は滴下しても塩基が増えていくだけで中和は起こっていないので、右上側は弱塩基でもステージができたりしません。どこから情報を得るか。まず弱酸を弱塩基で滴定した場合、中和点付近でのpHの変化が少ないのです。弱酸は酸性が弱いですし、弱塩基は塩基性が弱いですから。そのため試薬で中和点を知ろうとした場合、適切な試薬がないのです。pH計を使えば弱酸ー弱塩基のペアでも中和点がわかりますが、入試で扱われるのはだいたいフェノールフタレインやメチルオレンジなどの試薬を使う滴定です。その場合、弱酸を弱塩基では滴定できません。よって、ステージの存在で弱酸とわかれば、相手は強塩基だと思ってよいでしょう。ちょっと裏技っぽいですかね・・・。

あとは、強酸を滴定しているのが弱塩基か強塩基かですが、中和後も滴下していけば、液性は滴下している塩基の液性に近づいていきます。そこで右上の終点のpHが滴下している塩基の濃度から求めたpHに近ければ強塩基、小さければ加水分解しているということですから弱塩基です。たとえば塩基が0.1(mol/l)になるように調整されているとして、強塩基なら右上のpHは13くらいになっているはずで、弱塩基なら加水分解しますから13より少なくなっているはずです(10くらいかな?)。正確には、強酸と強塩基でも中和はしているし、混合により体積も増えているので13より少し小さくなります。例えば、0.1(mol/l)の塩酸10(ml)を0.1(mol/l)の水酸化ナトリウムで滴定し、20(ml)加えたところで操作をやめるとします。半分中和されて体積が30(ml)ですから、[OH]=0.1/3(mol/l)で[H+]=3×10-13(mol/l)。pH=13-log3でlog3が0.5くらいですから13より0.5くらい小さくなります。弱塩基だったらもっと小さくなるわけです。

センター試験で出題されるのは、だいたい、弱酸を強塩基で滴定、か、弱塩基を強酸で滴定、が多いようです。

一般のテキストでは、中和点のpHから酸塩基の強弱を判定すると解説していますが、今回紹介した内容を知ってれば解答時間を短縮できると思いますよ。是非、役に立ててください。

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高校物理発想法

高校物理発想法

タイトルは『高校物理発想法~あやふやな理解を明確に~』です。

『§3 v-t図の考え方』より

「物体の運動を考察する際、v-t図を使うと分かりやすい場合があります。v-t図の用い方は知っている人も多いかと思いますが、ひとつ喚起しておきたいことがあります。v-t図を作図せよ」、という設問があったら、それは、「これ以降の設問でv-t図を利用して解けば簡単に解けますよ」という誘導である場合が多い、ということです。物理の入試問題では、いかに出題者の誘導に乗るか、ということもポイントになってきますので、こういうこともしっかり押さえておきましょう。」

このように受験生が本当に必要としている実践的な知識を載せました。

『§4 「エネルギー保存の法則」「運動量保存の法則」の式をたてる際に注意すること』より

「運動量保存の法則は、「内力だけが働く系では、運動量の和が保存する」というものです。ここで運動量はベクトルですから分解することができます。すると、外力が働いていてもそれが一方向を向いていれば、それに垂直な方向は内力だけが働くことになりますから、その方向の運動量は保存します。したがって運動量保存を使うときは、まず働く力全てを内力と外力に区別し、外力が一方向を向いていないか調べることからはじめます。

教科書に載っている法則をただ覚えているだけではダメです。問題を解くとき具体的にどう使うのかまで理解していなくてはいけません。法則の正しい用い方を明確に説明しました。

他の参考書では書いていないような受験生が本当に必要としている事項満載です。

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酸化還元半反応式の作り方

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今回は、酸化還元半反応式を二通り持つ物質の回で触れていた、酸化還元半反応式の作り方、についてやります。

わたしの作り方は一般に教科書や参考書で説明してあるやり方とちょっと違います。まず教科書に載っている方を説明しますね。酸化剤として酸性下のMnO4を例にとります。酸化数が変化する元素を含む物質が半反応式の左右で何か、は絶対に覚えておかなくてはなりません。今回の例では、MnO4からMn2+です。両者の酸化数を求めます。+7と+2ですね。左辺と右辺で酸化数の合計は等しく、酸化数が変化する元素はMnだけですから、左辺にeを5つ加えて調整します。これでMnO4+5e→Mn2+ですね。今度はH+を加えることで、電荷を左辺右辺で等しくします。この段階で左辺-1+(-5)=-6、右辺+2ですから、左辺に8H+を加えます。これでMnO4+8H++5e→Mn2+です。あとは両辺で原子の数が合うようにH2Oを加えます。MnO4+8H++5e→Mn2++4H2O。これで完成です。

上記のやり方で何の問題もないのですが、わたしのやり方はこうです。MnO4からMn2+を覚えておくのは同様です。それでMnO4からMn2+の変化で、H+によってOを4つ奪う、もぎ取ると考えます。4つもぎ取るには8H+が必要で、それが4H2Oになります。MnO4+8H+→Mn2++4H2Oですね。あとは電荷をそろえます。左辺が-1+8=7、右辺が+2ですから左辺に5eを足します。MnO4+8H++5e→Mn2++4H2O。これで完成。

整理します。

①まず、酸化数が変化する物質を左右に書く。

教科書に載っているやり方
②eを加えて酸化数をそろえる。
③H+を加えて電荷数をそろえる。
④H2Oを加えて原子数をそろえる。

わたしのやり方
②H+で反応物質からOをもぎ取ってH2Oにする。
③eを加えて電荷数をそろえる。

どうでしょうか。わたしは、わたしのやり方のほうが早いと思っているのですが。気に入った方は採用してみてください。

「わたしのやり方」と言いましたが、駿台文庫の『新理系の化学(上)』を参考にしました。

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『新理系の化学』は少しレベルが高いですが、暗記の多い科目である化学の学習を、少しでも暗記を減らし、理論化・法則化して説明しようとしています。暗記が嫌い・苦手で理論のほうが好きと言う人には向いていると思います。わたしが現役のころは「新」はついていませんでしたが、すごくためになりました。特に『100選』はやっていて力がついているのがとても実感できました。難しい参考書ですがこなせれば大きな武器になると思いますよ。

 

 

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『§3 v-t図の考え方』より

「物体の運動を考察する際、v-t図を使うと分かりやすい場合があります。v-t図の用い方は知っている人も多いかと思いますが、ひとつ喚起しておきたいことがあります。v-t図を作図せよ」、という設問があったら、それは、「これ以降の設問でv-t図を利用して解けば簡単に解けますよ」という誘導である場合が多い、ということです。物理の入試問題では、いかに出題者の誘導に乗るか、ということもポイントになってきますので、こういうこともしっかり押さえておきましょう。」

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『§4 「エネルギー保存の法則」「運動量保存の法則」の式をたてる際に注意すること』より

「運動量保存の法則は、「内力だけが働く系では、運動量の和が保存する」というものです。ここで運動量はベクトルですから分解することができます。すると、外力が働いていてもそれが一方向を向いていれば、それに垂直な方向は内力だけが働くことになりますから、その方向の運動量は保存します。したがって運動量保存を使うときは、まず働く力全てを内力と外力に区別し、外力が一方向を向いていないか調べることからはじめます。

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酸化力・還元力の序列の判定

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化学の試験問題で、自発的に起こる反応あるいは自発的に起こらない反応を挙げて、反応に関わる物質間で酸化力・還元力の序列を問う問題があります。

問題:KBr水溶液にCl2を加えるとBr2が生じて黄褐色になる。

Cl2+2KBr→2KCl+Br2

①この反応で酸化剤、還元剤はなにか
②逆反応の酸化剤、還元剤はなにか
③、①②の酸化剤はどちらが酸化力が強いか。還元剤の還元力はどうか。

①は酸化剤がCl2、還元剤がBr。②は酸化剤がBr2、還元剤がCl
③がこの投稿のテーマですが、端的に言って、反応式が右に進む場合、酸化剤、還元剤とも左辺にある物質のほうが強い、ということが言えます。この問題では酸化力Cl2>Br2、還元力Br>Clです。

酸化力・還元力

このビジュアルで覚えてください。問題で与えられた反応を反応式にして、酸化剤・還元剤を見極め、反応が進む向きに、強→弱です。ハロゲンの単体分子の酸化力ぐらいだったら暗記しているかもしれませんが、さまざまな物質が出てくる場合は今回のやり方で判定してください。

おまけ、酸化力・還元力の判定に加えて、わたしが似ていると思うもの。塩と酸の反応の反応予想。

弱酸の塩+強い酸→強酸の塩+弱い酸

揮発性の酸の塩+不揮発性の酸→不揮発性の酸の塩+揮発性の酸(要加熱)

右向きの反応がおこり、左向きは普通おこりません(下は加熱した場合)。酸を塩基と置き換えても成り立ちます。

 

 

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『§3 v-t図の考え方』より

「物体の運動を考察する際、v-t図を使うと分かりやすい場合があります。v-t図の用い方は知っている人も多いかと思いますが、ひとつ喚起しておきたいことがあります。v-t図を作図せよ」、という設問があったら、それは、「これ以降の設問でv-t図を利用して解けば簡単に解けますよ」という誘導である場合が多い、ということです。物理の入試問題では、いかに出題者の誘導に乗るか、ということもポイントになってきますので、こういうこともしっかり押さえておきましょう。」

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『§4 「エネルギー保存の法則」「運動量保存の法則」の式をたてる際に注意すること』より

「運動量保存の法則は、「内力だけが働く系では、運動量の和が保存する」というものです。ここで運動量はベクトルですから分解することができます。すると、外力が働いていてもそれが一方向を向いていれば、それに垂直な方向は内力だけが働くことになりますから、その方向の運動量は保存します。したがって運動量保存を使うときは、まず働く力全てを内力と外力に区別し、外力が一方向を向いていないか調べることからはじめます。

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