浮力の正しい定義

高校物理参考書『高校物理発想法』を出版しました。

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浮力について教科書には次のように書かれています。
流体中の物体は、それが排除している流体の重さに等しい浮力を受ける
F=ρVg
じつはこれは正確な定義ではありません。
浮力とはなんでしょうか。浮力とは流体中にある物体がまわりの流体から受ける力のことです。
それで、浮力を導くとき次のように考えます。物体がある位置にどんなものがあっても形と大きささえ同じであればまわりの流体から同じ力を受けるはずだと。そこで流体中の同じ位置に物体ではなくまわりの流体と同じ流体があると仮定します。この状態は要するに容器に流体だけが入っている状態と同じです。ここから物体の位置にあると仮定する流体にはたらく力について考えていきます。 流体が入っている容器が静止か等速度運動しているときは、分子運動はべつにして流体も静止か等速度運動しています。静止・等速度運動している物体にはたらく力はつりあっています。流体にはたらいている力は重力ρVgとまわりの流体から受ける力すなわち浮力Fだけですから、F=ρVgです。 ここまでは教科書の定義であってます。 では容器が水平方向に加速度aで運動していたらどうでしょう。 運動方程式から流体にはたらく力の合力は水平方向にρVaでなくてはなりません。しかるに流体にはたらく力は重力とまわりの流体から受ける力だけですのでベクトルの関係は下図のようでなくてはなりません。

つまり浮力Fは上向きρVgではなく、図の向きに

となります。
浮力とは流体中にある物体がまわりの流体から受ける力のことで、物体の位置にまわりの流体と同じ流体があると仮定して、力のつりあい・運動方程式から求める。
ということですが、この考え方はややめんどくさい。そこで見かけの重力を考えます。

図のようになり、これは加速度aで運動する容器から見た相対運動の立場ですから容器・流体は静止しています。流体にはたらく力は見かけの重力ρVg ‘と浮力だけですから、力のつりあいを用いて、浮力は見かけの重力とは逆向き、大きさρVg ‘となります。
『入試物理プラス』東京出版の12~13pに電気通信大学の問題を載せてこのテーマを扱っています。

見かけの重力について説明があまりできませんでしたが、いつか項をあらためて相対運動をテーマにしたときに詳しく説明したいと思います。
以上、ただしい浮力の定義でした。
今回の教訓

○浮力F=ρVgとは限らない。流体を容れた容器が加速度運動している場合など。

○見かけの重力g’を使えばF=ρVg’
このテーマおわり

 

 

 

わたくし、大阪の家庭教師が高校物理の参考書を出版しました。

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タイトルは『高校物理発想法~あやふやな理解を明確に~』です。

『§3 v-t図の考え方』より

「物体の運動を考察する際、v-t図を使うと分かりやすい場合があります。v-t図の用い方は知っている人も多いかと思いますが、ひとつ喚起しておきたいことがあります。v-t図を作図せよ」、という設問があったら、それは、「これ以降の設問でv-t図を利用して解けば簡単に解けますよ」という誘導である場合が多い、ということです。物理の入試問題では、いかに出題者の誘導に乗るか、ということもポイントになってきますので、こういうこともしっかり押さえておきましょう。」

このように受験生が本当に必要としている実践的な知識を載せました。

『§4 「エネルギー保存の法則」「運動量保存の法則」の式をたてる際に注意すること』より

「運動量保存の法則は、「内力だけが働く系では、運動量の和が保存する」というものです。ここで運動量はベクトルですから分解することができます。すると、外力が働いていてもそれが一方向を向いていれば、それに垂直な方向は内力だけが働くことになりますから、その方向の運動量は保存します。したがって運動量保存を使うときは、まず働く力全てを内力と外力に区別し、外力が一方向を向いていないか調べることからはじめます。

教科書に載っている法則をただ覚えているだけではダメです。問題を解くとき具体的にどう使うのかまで理解していなくてはいけません。法則の正しい用い方を明確に説明しました。

他の参考書では書いていないような受験生が本当に必要としている事項満載です。

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