H2O、H+、OH-が出てくる式の扱い方

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液体の水において、水分子はつぎのように、電離平衡しています。

H2O↔H++OH

 

この式を念頭において、H2O、H+、OHが出てくる水溶液中の化学反応式では、水溶液の酸性・塩基性に応じて、両辺にH+を足すなどして調整してやるとよいです。これだとなにを言っているのか分かりにくいと思いますので、具体例を挙げてみます。

アンモニア水溶液中で、アンモニアはつぎのような平衡になっています。

NH3+H2O↔NH4++OH・・・①

この水溶液に塩酸を加えるなどして、強い酸性にしたとしましょう。すると平衡が移動します。酸性ですからOHはほとんどありませんので、①の式にOHがあるのはおかしい、そこで両辺にH+を加えて、調整します。

NH3+H2O+H+↔NH4++OH+H+

NH3+H2O+H+↔NH4++H2O

NH3+H+↔NH4+・・・②

となります。酸性にしたので、H+は増加、よってルシャトリエの原理より②の平衡は右に移動します。酸性下では、アンモニアはアンモニウムイオンになるというわけですね。

つぎの例。酢酸ナトリウム水溶液は次のような平衡になっています。

CH3COO+H2O↔CH3COOH+OH・・・③

弱酸の塩が加水分解して塩基性になるという式ですね。この水溶液を酸性にします。先程と同様に、酸性溶液中にOHがあるのはおかしいので、③の両辺にH+を足してやります。H2Oを消去するなどして、整理して。

CH3COO+H+↔CH3COOH・・・④

酸性なので、④の平衡は右に進みます。加水分解が進むというわけですね。

さらに別の例を挙げてみます。

電気分解で、陽極の電極が白金Ptや炭素の場合、溶液中に塩素イオンがなければ、つぎの反応で酸素が生じる、と習ったと思います。

4OH→O2+2H2O+4e・・・⑤

これで正しいのですが、私が思うに、式にOを含むものが3つも出てきて、気持ち悪い、というか式が立てにくい。それで

2H2O→O2+4H++4e・・・⑥

この式なら、逆反応を考えると、酸素と水素イオンが反応して水が生じた、と分かりやすく、立式も簡単。この式の両辺に4OHを足して、両辺のH2Oを消去すれば、⑤になりますね。⑤は陽極だから陰イオンが引き寄せられて反応するという解釈で、⑥は水溶液中の水が反応したという解釈。私的には、⑤も⑥も同じことだと思うのです。⑤の反応では水が生じ、⑥では水素イオンが生じているから、どちらでもよいというのはおかしいと思うかもしれません。しかし、そもそも⑤の左辺の4OHは水が電離して生じたものです。つまり、電離したときに4H+が生じているはずです。そう考えてみると、やはり⑤と⑥は同じことですね。しかし、受験化学では、溶液の液性が塩基性のときは⑤、中性・酸性のときは⑥、とすることになっています。

2H++2e→H2

も、中性、塩基性の溶液では両辺にOH-を加えて

2H2O+2e→H2+2OH

とします。

まとめますと

水溶液が酸性の場合:反応式の両辺にOHがあってはならない

水溶液が塩基性の場合:反応式の両辺にH+があってはならない

水溶液が中性の場合:反応式の左辺にH+、OHがあってはならない

以上の約束にしたがってH+やOHを両辺に加えて調整します。

 

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