等量関係・比例関係を見抜く(化学)

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高校化学の理論の問題は、結局「等量関係・比例関係を見抜く」ということに尽きると思います。等量関係・比例関係自体は、「水素イオンH+と水酸化物イオンOHが1対1で反応する」という単純なもので、そうは難しくありません。比例の式を立てて解くことも中学の数学で習ったことです。それでは、なにが難しいのかといえば、なにとなにが等しいのか、なにとなにが比例しているのか、を実験等の操作を複雑にして、見抜きにくくしてあるのです。今回はそれを見ていきます。

まず、比例関係の基本。

未知の濃度のH2SO4水溶液10mLを、0.10mol/LのNaOH水溶液で滴定すると10mL要した。H2SO4の濃度を求めよ。

考え方の基本は、H+とOHが1対1で反応する、ということです。H2SO4からH+は、濃度をxとして、x×10×10-3×2mol放出されます。係数の2がポイントです。NaOHからはOHは0.10×10×10-3放出されます。この両者が等しい。

x×10×10-3×2=0.10×10×10-3・・・①

(体積は両方mLですから、両辺とも10-3はかけないということも出来ます)

これを解いてx=0.050mol/Lです。

または

H2SO4+2NaOH→Na2SO4+2H2O

と化学反応式を立てて、式の係数から、H2SO4のmol数:NaOHのmol数=1:2、として同様の等式を導くことも出来ます。

ここで注意。①の等式が立ったところで、すぐに解かずに、いったん立ち止まって、係数が正しいかどうか必ず確認してください。つまり、「H2SO4から出るH+は2個でるから2倍であってるな」あるいは「化学反応式から比が1:2だからあってるな」と確認してから計算に取り掛かってほしいのです。それくらい間違わない、と思うかもしれませんが、複雑な問題になると、ほかに気をとられて、うっかりミスをしてしまいがちなのです。必ず係数を確認しましょう。

では、すこし複雑な問題。

塩化アンモニウム水溶液にNaOHを十分加えて加熱した。発生した気体すべてを0.10mol/LのH2SO410mlに吸収させ、未反応のH2SO4を0.10mol/LのNaOHで滴定したところ10ml要した。発生した気体のmol数を求めよ。

化学の問題を解き慣れていない人には難しく感じるかもしれません。まず発生した気体がなにか確定しないといけません。NH4ClとNaOHの反応ですから

NH4Cl+NaOH→NaCl+NH3↑+H2O

ですので、発生する気体はアンモニアです。アンモニア1molが水に溶けるとアンモニウムイオンとOHが1molずつ出来ます。アンモニアが出したOHとH2SO4が中和反応し、さらにその残りのH2SO4とNaOHが中和反応するわけです。わかりますか?こんがらがってきましたか?

つまりアンモニアが出したOHとNaOHが出したOHの和がH2SO4が出したH+と等量ということです。H2SO41molからはH+が2mol出ることに注意して

x+0.10×10×10-3=0.10×10×10-3×2

ここで、先程述べたように、係数を確認。アンモニアとNaOHからは1つずつOHが、H2SO4からは2つH+が出ます。式と比べて合ってますね。

x=1.0×10-3mol

となります。

比例関係自体は単純ですので、その関係を見抜けるかどうかにかかっています。良問を多くこなして、慣れていきましょう。

わたしの講義では良問を多く与え、比例関係を見抜く訓練を行います。興味のある方はご一報を。

 

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『§3 v-t図の考え方』より

「物体の運動を考察する際、v-t図を使うと分かりやすい場合があります。v-t図の用い方は知っている人も多いかと思いますが、ひとつ喚起しておきたいことがあります。v-t図を作図せよ」、という設問があったら、それは、「これ以降の設問でv-t図を利用して解けば簡単に解けますよ」という誘導である場合が多い、ということです。物理の入試問題では、いかに出題者の誘導に乗るか、ということもポイントになってきますので、こういうこともしっかり押さえておきましょう。」

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『§4 「エネルギー保存の法則」「運動量保存の法則」の式をたてる際に注意すること』より

「運動量保存の法則は、「内力だけが働く系では、運動量の和が保存する」というものです。ここで運動量はベクトルですから分解することができます。すると、外力が働いていてもそれが一方向を向いていれば、それに垂直な方向は内力だけが働くことになりますから、その方向の運動量は保存します。したがって運動量保存を使うときは、まず働く力全てを内力と外力に区別し、外力が一方向を向いていないか調べることからはじめます。

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